平成31年1月20日(日)に高松国分寺ホールにて第20回香川県作業療法学会が開催されました。平成最後の学会テーマは「作業療法の歩む道~幸せになるために~」と題し、一般演題14演題、特別講演では医療法人社団 東北福祉会 介護老人保健施設 せんだんの丘 施設長の土井勝幸先生による「地域包括ケアシステムに貢献するこれからの作業療法」をご講演頂きました。土井先生からは、地域包括ケアシステムの必要性の背景やそれを踏まえた、作業療法の視点からの医療介護連携、地域貢献への取り組み、人が生きるために必要とする作業の支援を通じて、地域包括ケアシステムに貢献できる作業療法についてご教授頂きました。講演内では、MTDLPの事例を踏まえた作業療法の在り方や、地域生活においては、IADLの視点、社会参加という、本人の主観的要素「本人が望む生活」に目を向け、その人らしさを支援していくことの重要性も教えて頂きました。一般演題では、2~3年目の作業療法士から10年目ぐらいまで経験年数の幅広い先生方に発表して頂きました。質疑応答におきましても活発なディスカッションができていました。今回の学会参加者は約100名であり、無事盛会に修了しました。特別講師の土井先生を初め、座長、演者の皆様、参加者の皆様、運営委員の皆様、ご協力ありがとうございました。来年は新たな年号となります。新しい時代の幕開けとして次回の第21回香川県作業療法学会におきましても、多くの先生方のご参加を心よりお願い申し上げます。
第20回香川県作業療法学会 特別補佐 纐纈 功
平成30年12月2日(日)、認知症初期集中支援修了者研修会を実施しました。これは、継続して知識と技術を保ち、高めるための研修会で今年度から行いました。
研修は修了証を有した作業療法士で30名の参加がありました。講師は佛教大学の苅山和生先生をお招きしました。坂出市地域包括支援センターの石橋常子OTに初期集中支援の現状と事例を紹介いただき、午後から参加者でグループワークを行いました。初期集中支援での考え方を学び、対象者の生活支援は初期集中支援にとどまらず、支援やサービス利用などを各グループで提案しました。新しい仕組みやサービスを創っていくことは簡単ではありませんが、その可能性が見え研修会参加者が参画できるよう考えていきたいと思います。
認知症であっても安心して暮らせる優しい町つくりに、作業療法士の立場から参画できればと考えています。来年度も基礎、実践、修了者研修と多くの方に参加いただけるよう企画していきますので、今後ともご支援ご協力の程、よろしくお願いいたします。
認知症初期集中支援研修会担当 前田悠志
平成30年9月2日(日)、県からの補助を受け今年度も認知症初期集中支援員養成研修会を実施しました。午前の基礎研修は47名の参加がありました。昨年度も含め基礎研修受講者を対象とした実践研修も午後に開催し、54名の参加があり修了証を発行しました。県健康福祉部長寿社会対策課井下課長様のあいさつをいただき、講師は佛教大学の苅山和生先生に加え、尚寿会あさひ病院認知症疾患医療センターの倉元貴志先生もお招きしました。また京都府作業療法士会の認知症支援委員会から森志勇士先生、森奈奈先生の視察、助言があり講演、グループワークとも充実した研修会となりました。
修了者研修は12月2日に開催予定です。初期集中支援に限らず地域への実践につなげられるよう、今後も講師の助言を受けて進めていく予定ですので、ご参加のほど、よろしくお願いいたします。
学術部特別研修会担当:しおかぜ病院 前田悠志
平成30年8月30日(木)19時から三豊市立西香川病院にてMTDLP事例検討会が開催されました。参加者は27名でした。発表テーマは、「自己効力感の低い症例に対して食事動作や役割の再獲得に向けてMTDLPを活用した事例について」松江沙祐里先生(西香川病院所属)、「自分でトイレに行きたい~MTDLPを通してトイレ動作再獲得へ向けた介入」
高橋美奈先生(西香川病院所属)、「左橋梗塞を呈した症例~MTDLPにより介入実施」藤枝昌代先生(三豊総合病院所属)の3名の先生方の発表でした。今回の事例検討会では、グループワークにて事例登録に向けて確認する視点について話合いました。事例についての不足点や良い点なども抽出し、内容が伝わりやすいものであるかも確認していきました。他病院のOTと意見を出し合いながら、MTDLPについて話合うことができ有意義な時間となったのではないかと思います。
まだまだ、香川県では事例検討会での発表者が少なく、事例登録に提出されている方も少ないため、今後は症例数を増やしていければと考えています。まずは、MTDLPがどのようなものなのかを知るため、事例検討会にも参加して頂ければと思います。
今回、発表して下さいました先生方、並びに病院スタッフの皆様方に感謝致します。
参加して下さった先生方におきましても、是非とも事例数を増やすためにMTDLPを実践して頂ければと思います。
纐纈 功(医療法人社団和風会 橋本病院 所属)
平成30年6月24日(日)、高松テルサにおいて、平成30年度第1回学術研修会を開催しました。今回は畿央大学教授、森岡周先生(理学療法士)お招きし「半側空間無視の神経メカニズムに応じた臨床介入」について講義して頂きました。当日は、例年の人数をはるかに超える約100名の参加がありました。半側空間無視をニューロサイエンスの視点から紐解き、神経ネットワークの問題から病態を解釈していきました。空間的注意ネットワークを背側(能動的注意)、腹側(受動的注意)に分けて考え、症状を分類して捉えること、部位別にどの注意機能を活性化させていけばいいいか等、治療介入に繋がる要素がたくさん述べられていました。終了後の出席者のアンケートも好評で「講義内容が分かりやすく最新の知見をふまえて興味深く聞くことが出来ました」「深くエビデンスをもって治療しなければと考えなおしました。新しい気持ちで取り組みます」等、臨床への意気込みが感じられる意見が沢山見られました。また講義も午前中とあり、参加しやすかったという声も聞かれました。今回の研修会を通し、根拠に根差して目の前の患者様に介入していく重要さが再確認できました。
今回お忙しい中ご尽力いただきました講師の森岡先生、及び学術部担当委員の皆様、ご参加頂いた皆様ありがとうございました。
学術部特別研修会担当 西山脳神経外科病院 鶴窪良樹