県士会活動報告 | 香川県の作業療法士会 - Part 5

令和4年11月27日(日)、「認知症研修会~認知症の人の“その人らしさ”を引き出す支援を考える~」に参加させていただきました。今回もオンラインと会場のハイブリット研修会で行い、21名の参加がありました。講師は徳島県作業療法士会認知症推進委員会委員長をされている大浦江美子先生をお招きしました。

 

現代の認知症支援が「“住み慣れた地域”で“自分らしい暮らし”“自分らしく暮らす”」という方向性を推進しているとのことで、今回は「その人らしさを引き出す支援」をテーマにした講演でした。

徳島県士会の取り組みで“ラシーサカード”という自分らしさを考えるきっかけを作るカードの紹介もあり、実際に体験させていただきました。グループワークでお題にこたえていくという形で、すごく盛り上がり、参加者の笑顔も多く、和んだ雰囲気で実践されていました。臨床でも認知症の方に限らず活用していけるものだと感じました。またその人らしさは変化していくものだと理解し、今いかにその人を幸せにできるかをOTとしてその人にあった作業を提供できるよう考えるきっかけとなる研修会でした。

 

今回お忙しい中、講師を引き受けてくださった大浦先生、貴重な講演ありがとうございました。

認知症研修会担当 森 莉央

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第24回香川県作業療法学会を終えて

 

2022年12月18日(日)に、第24回香川県作業療法学会が開催されました。今年も、昨年と同様にオンラインでの実施となりました。今回の演題数は、13演題で参加者は80名でした。「作業療法の今とこれから」を学会テーマとして、基調講演には、(一社)日本作業療法士協会の山本伸一副会長をお招きし、学会のテーマである「今とこれから」についてのご講演を行っていただきました。日本作業療法士協会の現状、役割や活動内容の紹介と、これからのことについてご講演いただきました。特別講演は、(株)クリエイターズ取締役であり、作業療法士の細川寛将氏のご講演でした。キャリアアップのお話しでは、ご自身の経験談や作業療法士個人が将来についてどのように考えるか、未来に向けた内容が中心でした。 今学会のテーマである「今とこれから」について聴講し、私自身も、目標を持つことの大切さや将来に向けて考えるための良い刺激を受けました。演題発表は、MTDLPを活用した発表なども散見され、MTDLPの重要性を感じることもできました。

次の学会は、世の中の状況にもよりますが、会場で発表していただき、皆さまと顔を合わせて作業療法について議論できることを期待しております。今回、発表して下さった先生方、参加者、会長、理事、運営スタッフ、皆さまに心より感謝申し上げます。

今後とも、香川県作業療法士会の活動にご協力、ご支援いただきますようよろしくお願いいたします。

第24回香川県作業療法学会 運営委員長 纐纈 功

 

令和4年11月6日(日)、今年も県からの補助を受け、介護従事者向けの老年期うつ病研修会を実施しました。今回もコロナウイルス流行の為、研修会をオンライン参加と感染対策実施しての会場参加のハイブリッド研修会として開催いたしました。

今回の研修会では、介護職の方から学生までと幅広い方々に参加して頂きオンライン16名、会場4名の総勢20名の方々にご参加頂きました。

講師は杏林大学の早坂友成先生をお招きしました。老年期うつ病の疾患や症状の話しから、先生の経験を踏まえた講義はとてもわかりやすく臨床の場で携わる1人の医療従事者としてはとても良い勉強となりました。

最後になりましたが講師をして頂いた早坂先生を初め、参加者の皆様方に深く御礼申し上げます。

 

しおかぜ病院  森髙颯太

令和4年10月23日(日)にオンラインにて第2回学術研修会を開催しました。

東北福祉大学 健康科学部リハビリテーション学科 教授、籔脇 健司先生に「高齢者の生活を明るく活力あるものにするために ~人、作業、環境への支援~」をテーマにご講義していただきました。

籔脇先生の講義では、前半は「高齢者支援のアウトカムとは」、後半では「環境支援の考え方」を主に講義して頂きました。高齢者が役割を獲得することの必要性、健康関連QOLとの関係、包括的な環境支援や早期介入の重要性について約2時間という短い時間ではありましたが、詳しい解説と事例紹介を交えた講義でとてもわかりやすい内容でした。また、講義に加えて、ブレイクアウトルームで分かれてグループワークも実施しすることができたので、より深く理解することができました。

アンケート結果からも「これまでも役割に目を向け関わっていたつもりでしたが、今回の研修で必要な視点がいくつか見つけられた」「高齢者の健康とQOLの関係・役割や環境への支援の視点が学べたのが良かった。CEQを活用していくメリットを感じることができた。」など、好評の声が多くみられました。

今回お忙しい中、お引き受けいただきました講師の籔脇先生、ご参加いただいた皆様ありがとうございました。今後も会員の皆様の知識技術の向上につながる研修会を、学術部担当委員で企画・運営していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

第2回学術研修会担当 介護老人保健施設 白寿の杜 湊 一樹

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令和4年度第1回学術研修会を令和4年6月19日(日)に開催しました。理学療法士である奥埜博之先 生 (摂南総合病院)と坂本隆徳先生(福山記念病院)をお招きして「作業療法士のための下肢運 動器疾患の観察ポイント~運動学的・解剖学的視点、認知神経リハビリテーションの視点~」とい うテーマで講義して頂きました。今年度もオンラインでの開催でしたが、他職種も含め53名の参 加がありました。! 当日の講演では奥埜先生から、まず認知神経リハビリテーションの概念について話て頂きまし た。行為の改善には運動学的視点のみでは不十分であり、結果(運動)に対して介入するのでは なくその行為のプロセスに対して思考し介入していかなければならないと話されていました。個人 的には「逆上がりが出来ない子供に対して、上腕二頭筋の筋力トレーニングを実施しませんよ ね?でも高齢者を見ると何故かそんな思考をしてしまう方が多いです」という問いかけが印象的 でした。運動(筋収縮)には情報が必要だということ、それは感覚入力が大切なのではなく、予 測と結果の比較照合により、生まれた差異が行為を改変させている為、運動の理解には内部観察 を行うこと、セラピストが思考していくことが重要だと述べられていました。受講される方の中 には初めて聞く方も多かったと思いますが、新たな視点を持てる講義だったと思います。 坂本先生からは具体的に大腿骨疾患、圧迫骨折の運動学的視点と、ADL動作時のポイントについ て詳しく解説していただきました。模型を使用し、人工骨頭の脱臼のメカニズムや基本動作の動 画を用いて指導方法のポイントをわかりやすく丁寧に講義して頂きました。最後に奥埜先生よ り、実際の患者様で大腿骨頚部骨折の早期介入をどのように行なっているか臨床場面を見せてい ただき、貴重な体験をさせていただきました。研修会では初となるグループディスカッションも短 時間ではありましたが意見交換が行えたと思います。 終了後の出席者のアンケートでは「訓練動画からも知覚、運動、痛みへの対応などいろんな視点 があり、今後の臨床で生かしていきたいと思います」「脱臼するメカニズムを解剖、運動学を復 習してADLでの動作方法を細かく教えていただきわかりやすく、すぐに実践できそうです」や 「普段整形外科疾患の方へのアプローチの知識が不十分であり、悩むことが多かったのでいろい ろな知識を知ることができて、大変勉強になりました。臨床の中での視点も詳しく説明して頂 き、とても分かりやすかったです」「今回、関節包や靭帯への着目点、実際の動画を用いた介入 や声掛け方法を知ることが出来、明日からの臨床に活かしていきたいと思います」「講師の先生 方が大変フランクな方で、チャットでも質問がしやすく感じました。正直、質問には抵抗を感じ てしまう部分がありますが、その場で疑問を解決できたので大変良かったです」など、講義内容 や講師の先生方に対して良好な意見が聞かれました。来年度も同様のテーマで引き続き、講師の 先生にお願いしたい、という意見も聞かれました。 今回お忙しい中、お引き受けいただきました講師の奥埜先生、坂本先生及び学術部担当委員の皆 様、ご参加頂いた参加者の皆様ありがとうございました。! 今後も会員の皆様の知識技術に繋がる研修会を企画・運営したいと思いますので、引き続きよろ しくお願いいたします。!

文責:第1回学術研修会担当 学術部副部長 西山脳神経外科病院 鶴窪良樹
サカモト先生








オクノ先生